ビタミン E

幼児のエリキシル剤として幅広く使用されているビタミン E を大量に摂取することは、心 臓発作や癌を予防せず、実際に糖尿病や動脈の狭くなっている人が心疾患にかかる危険性 を増加するかもしれません。
ビタミン E は心疾患やいくつかの種類の癌、アルツハイマー 病のようなアメリカで流行のいくつかの疾病を、自然に予防し治癒するものとして推奨さ れてきました。
無作為プレセボ臨床対照実験によれば、残念ながらビタミン E は引き続き 利用されるにはふさわしくありません。

米国医師学会の専門誌の記事によると(Brown, BG&Crowley,J.2005. IS there any hope
for Vitamin E? JAMA, 293, 1387-1390.)、ビタミン E は、それが予防すると言われる疾病 の危険性を増やすかもしれないと述べています。
無作為プレセボ対照研究において、糖尿病または血管疾患を患う55歳以上の7000人の人々 を対象に、7 年間 1 日 400IU のビタミン E が投与されました。
これは多くの強力なマルチ ビタミンやまたは単独成分のイオンソフトゼラチンカプセルに見られるビタミン E の総量 です。
ビタミン E を摂取したこれらの人々は、プレセボを摂取した人々よりも心疾患の危 険性が極めて高く、また対照集団よりも癌の危険性が低いという証拠はありませんでした。

今日までに研究されてきた約 6 万 8 千人患者において、ビタミン E の大量摂取が心血管危 険因子または癌の危険因子を減少させるという説得的な証拠は見られません。
通常の日常 摂取量を過剰に超えたビタミン E の摂取が、虚血性疾患や心疾患の危険性をわずかに増加 させるかもしれないといういくつかの手がかりもあります。
ビタミン E は天然で効果的に 心疾患や癌を予防する方法であると耳にするかもしれませんが、これは誤った期待を抱か せるものだと証明されてきました。
ビタミン E の大量摂取に反対する衝撃的な事例が New England Journal of Medicine. Petersen RC et al., Vitamin E and Donepezil for the Treatment of Mild Cognitive Impairment. N Engl J Med. 2005 Apr 13 に発表された研究にあります。
数箇所の臨床センターにおいて研究者らは、中程度の認知障害を患う 769 人の高齢者(55 歳から 99 歳まで)を研究しました。
ビタミン E(1 日 200IU)の大量摂取とドネペジル薬、 プレセボ摂取に対する反応が評価されました。

この無作為二重盲研究は、サプリメントまたは薬剤がアルツハイマー病の認知障害の進行を緩和するかどうかを測定するために計画 されました。
治療 3 年後、ビタミン E もドネペジル薬による治療を受けた被験者どちらも、それぞれの 処方により改善されませんでした。つまり彼らのアルツハイマー病は意味を持たないプレ セボを与えられた被験者と同様の割合で進行しました。
この研究は酔いを冷ますような、ビタミン E サプリメントの大量摂取は何の効果も持たな いという事実をを証明していますが、ビタミン E を豊富に且つ健康的な量で含む食餌の重 要性を否定していません。
ビタミン E は重要な酸化防止剤で免疫機能を促進し、健康な肌 と頭髪に重要なことはよく知られています。